執筆者紹介
鈴木 萌果
EMCカンパニー EMC推進室 マーケティング&コミュニケーショングループ
2015年にメンバーズへ新卒入社。ソーシャルメディア運用・広告ディレクション業務を経験し、現在はEMCカンパニーの広報・マーケティングを担当。社内のサービス・取り組みを発信する『EMCライター』という社内唯一の職務をせっせと遂行中!
EMCカンパニーの広報・もえかが、社内外で耳にする疑問やナゾをキーマンたちへのインタビューを通じて解き明かすシリーズ「教えて!メンバーズ」の第2弾です。
突然ですが、8月初旬にメンバーズからこんなリリースを出しました。
DXプロデューサー・クリエイターによるデジタルトランスフォーメーション推進支援を大企業向けに提供開始~100名規模のDX推進部隊が、大企業のDX実現に向けた課題発見から解決までを支援~
このリリースを私が担当したものの、実はこういった疑問がありました。
ということで第2弾のテーマは、EMCカンパニー社長である西澤直樹さんに聞く「なぜメンバーズがDX推進を始めたのか?」です。
西澤:はい、出来ます。というか既に多くのお客さまのDX支援を行っています。
西澤:はい、元々メンバーズはデジタル業務で必ず発生する「運用」という領域に特化した事業展開をしてきました。メインは「Webサイトの運用」ですが、我々の運用は単に業務オペレーションを円滑に進めることだけを目的としていません。成果志向を持った社員が、お客さまと一体となったチームを構築し、ビジネスを成長させることが目的です。この「チーム作りノウハウ」そのものが企業のDX推進においても求められ、既に支援をはじめているのです。
西澤:違います(笑)ただ、コロナが良い意味で振り切るきっかけを与えてくれたのは間違いありません。当初考えていた3ヵ年計画を前倒しで実行すべきと判断し、今回正式にDX支援に事業領域を拡張していくことを宣言しました。覚悟を決めたからには、退路を断ってやりきるつもりです。
西澤:昨年から次の10年間の大きな指針となるVISION2030の策定に携わり、「社員数1万人」「営業利益100億円」「社員報酬1.6倍」など野心的な目標を掲げました。その達成に向けて、既存サービスを成長させながら、数年がかりでEMCの事業モデルを「Webマーケティング運用支援」から「デジタルビジネス運営支援」に進化させていくことを考えていました。そのための採用・育成・広報活動などあらゆる方針を見直していく予定だったんです。
西澤:そうですね。僕らの事業ドメインは、デジタル業務に必ず発生する「運用」をメインとしていますので、有事の際でも大きな影響を受けにくい領域です。しかし、コロナ禍の4月に入社した新卒社員180名分の仕事を新たに生み出す必要があったものの、新規のプロジェクトや受注そのものがコロナの影響で延期・中断、営業活動も停滞し、全社の稼働率がなかなか上がってこなかったのです。
西澤:コロナ禍という先が見えない状況のなか、ベネッセさま役員のトップダウンでこのサービスを実施することが急遽決まり、たった数日でサイト制作・運用体制などを両社一丸となって実行しました。その結果、185万人以上の子供たちに学習機会を提供することができました。
リリース:メンバーズ、一斉休園・休校時にベネッセが実施した「学習コンテンツオンライン無償提供」の取り組みを支援。4コンテンツをリモート環境のなか最短1週間で公開〜のべ185万人以上が利用し、コロナ禍の学習機会確保に寄与〜
数値的な成果はもちろんですが、これを通じて改めて気づいたことがありました。
西澤:まず、企業のWebサイトは社会のインフラになっており、僕らがそれを支えているということ。またコロナ禍という緊急事態において、現場の状況がわかっている我々だからこそ頼っていただけることがあるということ。
そして、企業側が本気を出せば、数日で新しいサービスを立ち上げたり、サービスの在り方自体をデジタルシフトすることができるということです。
見えた・・見えたぞ・・・希望の光が・・・!
西澤:はい、新しい生活様式で変化する消費者行動や価値観に合わせて、企業が提供すべきデジタル体験を明らかにする診断「AfterコロナUX診断(サーベイ)」の提供を開始しました。そして、この診断結果をもとに顧客企業の経営層へ課題をヒアリングしました。
リリース:メンバーズ、「AfterコロナUX診断(サーベイ)」の提供開始。アフターコロナの「新しい生活様式」で変化する消費者の行動や価値観に合わせ企業が提供すべきデジタル体験が明らかに。
西澤:日頃からメンバーズでは、“現場対現場”だけでなく、経営層を含めた“会社対会社”のお取引をすることを重視しています。その一環であるマネジメントレビュー※2 やユーザー会※3 を通じて関係性が構築できていたこともあり、お時間を取っていただきました。
ベネッセさまの取り組みでも話したように、有事においてはトップの意思決定がとにかく重要です。そこで直接、各社が置かれている現状と今後の方針について詳しく話を聞くことができたのは非常に大きな成果でした。
西澤:意外なことに悲観的な意見は少なく、コロナ禍で強制的にアップデートされた社会に、積極的に適応していこうと考える企業がほとんどでした。元々デジタルシフトは各企業の重点方針に掲げられていたこともあり、コロナによって新たにやるべきことが増えたというより、今やっていることのスピードを2倍、3倍、何なら10倍にできないか?という相談が寄せられました。
西澤:これは間違いなく各社デジタル人材の争奪戦になると感じました。同時に企業のデジタルマーケティングの中核である運用に携わっているメンバーズの社員こそ、DXの牽引役にぴったりなんじゃないか?と思いました。
そんな裏話があったとは・・・聞いているだけでドキドキハラハラの私です。
西澤:はい、DXプロデューサー・クリエイターの提供を通じた企業のDX推進支援を開始しました。そして、DX人材の100名輩出宣言をしました。
リリース:DXプロデューサー・クリエイターによるデジタルトランスフォーメーション推進支援を大企業向けに提供開始
西澤:その通りです。経営層へのヒアリングを通じて、デジタルシフトをスピーディーに実現する社内人材が不足していることが分かりました。当然、企業側も育成や採用活動に力を入れていますが、それだけでは追い付きません。
なので、メンバーズから「あたかも顧客企業の社員のように」内部からデジタル化を推進する人材を提供できれば、企業のDX推進に貢献できると考えたのです。
西澤:常駐支援では企業側で策定した与件やプロジェクトありきで、それを実現するために必要なクリエイターをご提供してきました。しかし、DX人材は明確な与件がないなかで、お客さまの組織内部に入り込んでDX推進における課題を抽出したり、優先順位を決めるところから入ります。難易度は高いですが、何も決まっていないことを整理して決めるところからご支援するので、「あたかも社員」と呼んでいます。
西澤:大きく2つあると思っています。まず、クリエイターの会社なので、考えたことをすぐにカタチにできるという点です。パワーポイントで重厚長大な戦略を描くより、顧客のアイデアや試してみたいことを、すぐにデザインや画面設計で視覚的に表現できます。文字から施策を想像するよりも、スピード感のある意思決定や軌道修正が可能です。コンセプトは「あたかも社員」ですので、メンバーズでは対応が難しい要件に落ちた場合は、協力会社とフラットに連携したり、人材調達支援も行います。
西澤:メンバーズならプロジェクト完了後の「カイゼン」を見据えた支援ができることが強みかと思います。元々運用業務に携わっていた社員が実行フェーズを担いますので、「デジタル化した際、業務にどのような影響がでるのか」「プロジェクトが終わってからもお客さま自身が運用できるのか」など、「作って終わり」にしない持続的な取り組みになるよう支援を行います。実行フェーズではUXデザイナー・エンジニア・クリエイティブディレクター等の専門家たちで編成したDX専任部隊のご提供が可能です。
西澤:はい、EMC事業としてWeb運用から一貫して顧客企業と一体となったチーム運営を大切にしてきました。DX実行フェーズにおいても、これまで培ったチーム運営ノウハウを十分活かすことができると考えています。
我々に求められている「DX推進とは何か?」を紐解いていくと、今のところ「売り方」のデジタル化です。企業によっては「モノ」や「サービス」自体をすぐにデジタル化するわけにはいかないので、売り方を変えるしかない。じゃあモノ・サービスは変えずに他に変えられるものは?と考えると「人」と「お金」の再配置が必要となるわけです。そこを軽視して、一足飛びにDXのソリューションやフレームワークを導入すると失敗します。反対に、DXを着実に推進できている企業には共通していることがあるんです。なんだと思います?
西澤:はい、それは必須の前提条件ですね(笑)。そのうえで僕は「裁量権があるチーム」だと思っています。DXを本気でやろうとするなら、従来の組織論理を超えたところで裁量権をもって判断する機会がかなり増えます。そしてチームとは「人」の集合体ですから、「人」の適切なアサインがDX成功のカギとなります。私が目指すのは、お客さまと一体となった「最強のDX推進実行チーム」です。DX人材提供はその第一歩ですね。
西澤:ここで言うDX人材は、与件整理から入るプロデューサー人材とモノづくりの面から支援するクリエイティブ人材が含まれます。
メンバーズでは積極的に新卒採用をしていますが、新卒5~6年目の段階で顧客企業に寄り添って与件を引き出したり、課題の解決策を現場に落とし込んで定着化させることができる人材・顧客企業のプロジェクトオーナー補佐として支援できる人材が育っています。そういった人材をWebを中心とした運用支援からDX推進支援へ役割をシフトすることで、自ずと100名の養成は実現できると思っています。
西澤:それはうちの社員を直接見ていただければ、わかると思います。私自身メンバーズに15年いますが、ここ数年の若手を中心とした社員の優秀さに驚いています(笑)
西澤:
①日々の運用で顧客企業に寄り添った支援をしているため、お客さまへの理解度が高く成果志向である
②顧客企業の経営層との接点などを通じて、「ビジネス課題の解決視点」を持っている
これは、プロデューサー・クリエイターに関わらず社員全員が持っているメンバーズならではの強みと自信を持って言えます。言葉では中々伝わらないので、これはもう本当にうちの社員と面談していただけるといいんじゃないかと思いますね。
西澤:どの企業においても、コロナの影響もありDXの推進は急務になっていることと思います。とはいえ、完全に外注任せではうまく推進できませんし、内製化するには時間がたりません。
外注と内製の「良いとこどり」ともいえるメンバーズのDX人材をご活用いただくことで、戦略が絵に描いた餅になることを防ぎ、定着化まで貴社社員さんと同様のマインドセットで実行します。DXの在り方を変える最強チームを一緒に作りましょう!
一緒にDXを推進していきましょう!!!
西澤さん、ありがとうございました!
<編集後記>
シリーズ第2弾の記事はいかがでしたか?すこし攻めたタイトルから始まり、突っ込んだ質問をカンパニー社長に直接ぶつけるというドキドキなインタビューでしたが、新たな発見がたくさんありました。「メンバーズならできる!」と強く語る西澤さんの言葉に、私も広報を通じて頑張ろうとアツい気持ちになりました!
第3弾は、モノづくり視点から捉えるDXについて、BU1のBU長である生駒さん・メンバーズエッジカンパニー 社長である塚本さんへ取材します。お楽しみに!
※この記事は2022年以前にメンバーズコラムに掲載していた記事のアーカイブです。
鈴木 萌果
EMCカンパニー EMC推進室 マーケティング&コミュニケーショングループ
2015年にメンバーズへ新卒入社。ソーシャルメディア運用・広告ディレクション業務を経験し、現在はEMCカンパニーの広報・マーケティングを担当。社内のサービス・取り組みを発信する『EMCライター』という社内唯一の職務をせっせと遂行中!