蘭ユトレヒト大学とオーストリアの非営利団体Revolve Circularはこのほど、世界初のサーキュラーエコノミーグローバル調査「Imagine Circularity」の結果を公表しました。同調査は、いまだ明確な定義がないサーキュラーエコノミーに対するグローバルな認識傾向を明らかにすることを目的として、2021年4月より実施しました。
株式会社メンバーズでは、同大学ウォルター JV ヴァーミューレン博士の了承の元、日本語化し公開をしています。
調査結果全体の総括
包括的な解決策を望む「循環型社会言説(TCSとRCS)」が「循環型経済言説(TCEとFCE)」よりも回答数が多かったこと、社会正義や平等の観点も高い支持が得たことなどから、社会包摂型で環境に体系づけられたアプローチが、現在普及している技術中心的循環型経済(TCE)よりも好まれていることがわかりました。そして、サーキュラーエコノミーの知識がある人ほど、革新的循環型社会(TCS)を好む傾向にあることが明らかになりました。
これに対し調査団体は、サーキュラーエコノミーの概念を学ぶほど、進歩的で包括的な捉え方が醸成されていくとの仮説を立てています。これは「サーキュラーリテラシー」を獲得することで、社会的に公正で平等な方法で二酸化炭素排出量を削減することを提唱する学術界の声と呼応します。
また、将来世代のためにサーキュラーエコノミーを民主的に進めていく必要性にも触れています。本調査結果では、多様な人々がサーキュラーエコノミー政策や行動に参画することで、現在進行している取り組みがさらに革新的なものとなっていく未来を示唆しています。
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目次
- はじめに
- 方法とデータ分析
- 結果
- 回答者の人口統計的背景
- 各設問の総合結果
- CE言説と人口統計的背景
- 公開質問への対応
- 結論
- 参照文献
- 付録